泌尿器科診療 前立腺癌の診断と治療について

前立腺癌治療

前立腺癌の早期発見のために

前立腺肥大症と前立腺癌は異なる病気で、肥大症から癌になることはありませんが、時に両者が合併して起こることがあります。

また、前立腺癌は初期にはほとんど症状がなく、症状が出た時には、すでに癌は進行している場合もあります。

前立腺癌を早期発見するために50歳以上の男性は年一回、血液検査で腫瘍マーカーであるPSAの測定を受けることをお勧めします。

【検査方法】
●スクリーニング検査/PSA検査(前立腺特異抗原)
  =血液検査でわかります。
●二次検査/1.直腸診 2.超音波検査 3.針生検 
  などの検査方法により診断いたします。
PSA検査による陽性率の割合

・年齢別PSA値別生検陽性率 (2015年1月~12月)【高山病院データ表はコチラ

二次検査/前立腺針生検の詳細

前立腺癌の確定診断には、前立腺組織の一部を採取して顕微鏡で調べる前立腺針生検が必要です。

●系統生検
当院は、前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA値が高く、直腸診で前立腺癌が疑われるような硬さが認められる方へ、安全性を考慮し1泊2日の入院で、前立腺に直接針を刺して組織を採取する「前立腺生検」を行います。
「系統生検」は、超音波で前立腺の画像を確認しながら、前立腺全体に10~20本の穿刺を行い、組織全体を満遍なく採取します。
●標的生検
MRIは、客観的で信頼性の高い画像診断検査です。前立腺癌の疑い症例についても、MRI撮影を併用することで、病巣の検出精度が上がり、癌の疑わしい部位を狙って針を刺す「標的生検」ができるようになってきました。 ただし、MRIの画像情報で癌病巣が描出出来た場合であっても、穿刺は、超音波の画像を確認しながら行いますので、穿刺すべき場所にずれが生じます。そのようなずれを補正するため、「MRI及び超音波検査融合画像による前立腺針生検法(MRI-TRUS Fusion Biopsy)」が開発され、当院では2017年12月より行っています。

MRI及び超音波検査融合画像による前立腺針生検法(MRI-TRUS Fusion Biopsy)について

癌が疑わしい部位のMRI画像を超音波診断装置内に取り込み融合画像の作成後、超音波画像上で穿刺すべき場所を可視化することで、より精度の高い針生検を行います。
当院では、従来の系統生検での癌陽性率は47%でしたが、MRI-TRUS Fusion biopsyでは64%に上がりました(日本泌尿器科学会福岡地方会第304回例会口演より)。
前立腺癌の診断に高精度なMRI-TRUS Fusion biopsyは、穿刺すべき場所を特定することで、無用な穿刺を減らし、生検による患者さんの負担を軽減します。また、癌の部位や広がりをより正確に知る事で、質の高い適切な治療を患者さんへ提案出来るようになりました。

(左)MRI画像  経直腸前立腺超音波画像(右)

(左)MRI画像  経直腸前立腺超音波画像(右)

↓経直腸前立腺エコープローブ

経直腸前立腺エコープローブ

↓超音波装置ARIETTA850

超音波装置ARIETTA850
前立腺癌の治療法について

前立腺癌は他の癌と異なり、多くの場合、比較的ゆっくり進行し、内分泌療法(ホルモン療法)が良く効くことが特徴です。
したがって、早期発見した場合に、すべて手術を行うわけではありません。リスク分類を行い、病巣が小さく悪性度が低い癌で、治療を開始しなくても余命に影響がないと診断した場合は、薬も使用せず、経過観察のみで対応いたします。治療を開始する場合は、手術、内分泌療法(ホルモン療法)、化学療法、放射線治療が主な治療法で、複数の治療を選択することもあります。癌の進行度(広がり)や悪性度、患者さんの年齢や身体状況や希望を念頭に、主治医は、患者さんにとって最適な治療法のご提案を行い、ご納得頂いたうえで決定いたします。

男性泌尿器科についてよくある質問
  • ・前立腺って?
  • ・前立腺によくある病気
  • ・前立腺癌とは

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